2010年のごあいさつ・2009年のまとめ

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2009年は、CiNiiを中心にして、周囲の状況も自分自身の状況も大きく変わりました。

まずは何といっても4月のリニューアル。仕様書作りから考えれば約2年、ここまでたどり着くことができたのは、多くの関係者の力があってのことです。それこそリリース直前にはシステムが動かない夢を見たこともありますが、振り返ればいろんな人に守られたプロジェクトだったなあと思います。そして、リニューアル後にいただいたポジティブな反応は、関係者を勇気づけるとともに、学術情報分野ひいては図書館分野全体に「やればできる、うまくいく」というメッセージとなって伝わったのではないかと自負しています。11月には、ウェブAPIコンテストの発表会を催すこともできました。広大なウェブの世界から見れば小さな出来事ですが、公共サービスを「ウェブ化」していくことの意義を示すことができているとすれば幸いです。

11月からは、国立情報学研究所の准教授兼専門員という肩書きを得て、正式に学術情報サービスの担い手となることになりました。仕事の内容がいますぐ変わるわけではありませんが、1サービスにとどまらず、より大きな絵を描くのが任務だと思っています。劇的に変化している学術情報分野でどんな貢献ができるのか、まだわかりませんが、世界に誇れるサービスのあり方を模索していきたいと思います。

12月には第1回ウェブ学会シンポジウムを開催しました。ウェブを主語にしたコミュニティを作りたい、という想いから1年がかりで作り上げたイベントです。TwitterUstreamなど、ウェブの力を最大限に使って、数千人が参加し、議論するプラットフォームのひな形ができたのかなと思っています。

株式会社グルコースでの活動も継続しており、今年もいくつかのソフトウェアを提供することができました。iPhoneiPod touchTwitterクライアントとして2月にリリースしたFastweet無料版・有料版に続いて、12月にはリアルタイム検索に特化したFastweet Liveを出しました(まだ正式にプレスリリースを出していませんが)。また8月の衆院選を前に、みんなの政治というサービスを作りました。

さて、これらを踏まえて、2010年をどういう年にしていきたいか、抱負らしきものを書いておこうと思います。

ここ数年、毎日毎日何らかのソフトウェア・サービスの設計・開発・運用に関わっています。いわゆるプロダクト・マネージャの仕事に近いのだと思いますが、この仕事を内外に認知してもらうこと、そしてこの仕事に必要な知識・経験を得ることが第一の目標です。また、研究者として取り組むからには、体系的な「学」につなげていくことも必須です。

上記とも関連しますが、いま自分がいる研究コミュニティから少しずつ軸足をずらしていくことも必要だと思っています。ウェブ学会もそうですし、CiNiiを通じて図書館分野の人々と交流が増えてきたこともありますが、自分のアプローチがAI(のみ)に立脚していることの利点と欠点を同時に感じます。ことさら学際を標榜するつもりはありませんが、さまざまな分野の方法論を知り、時には合わせていくことのできる柔軟性を身につけたいと思います。

これらは今日から急に始めるものでもありませんが、いま取り掛かっているいくつかの仕事を通じて少しずつ実現していきたい目標です。2010年もいろんなお知らせができるようにがんばりますので、ご期待ください。

それでは、改めて、今年もよろしくお願いします。

追伸:毎年、今年こそちゃんとブログ書きますと宣言してましたが、そろそろあきらめます…。Twitterのつぶやきは増えると思うので、ぜひフォローを!