「セマンティックWebプログラミング」の監訳を担当しました
発売からすでに1ヶ月ぐらい過ぎてしまいましたが、オライリーから出版されている「セマンティックWebプログラミング」の監訳を担当したので、そのご報告を。
- 作者: Toby Segaran,Colin Evans,Jamie Taylor,大向一輝(監訳),加藤文彦(監訳),中尾光輝(監訳),山本泰智(監訳),玉川竜司
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/06/26
- メディア: 大型本
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セマンティックWebプログラミングは、同じくオライリーから出ている「集合知プログラミング」の著者であるToby Segaranらによる「Programming the Semantic Web」の邦訳です。集合知にせよセマンティックWebにせよ、理屈はわかるけど実装のイメージがつかないというエンジニア向けに、プログラムできちんと説明するという良書です。ぼくも学部生の実習用に集合知プログラミングを使っていて、Programming the Semantic Webも早く日本語版が出たらいいのになあと思っていたのですが、ひょんなことから自分が関わることになりました。このような出会いを提供していただいたオライリーの伊藤さん、はてなの伊藤さんには心から感謝しています。
それで、ぼくの役割はというと、実際に翻訳したわけではなく、訳者の玉川さんが翻訳された原稿を読んで、間違いがないか、表現が適切かをチェックするというものでした。また、ぼくひとりでは心許ないので、適任だろうと思われる加藤さんにお声がけし、そうすると加藤さんが中尾さんを誘い、中尾さんが山本さんを誘い…という感じで訳者1名、監訳者4名という妙な体制ができあがりました。最終的に、監訳者4人で分担してチェックを行うとともに、ぼくが代表して「監訳者まえがき」という短い原稿を書きました。
監訳という仕事ははじめてで、またセマンティックWebの用語は難しいものが多いのであまり自信はなかったのですが、元の翻訳がよいのでスムーズに進めることができました。あと、技術書の翻訳だと掲載されているプログラムが動かないということがよくあるのですが、今回は監訳チーム(ぼく以外…)のがんばりで、ちゃんと動くように修正しています。
そんなわけで、もし書店で見かけたらお手に取ってご覧ください。教科書や演習資料にしていただければもっとうれしいです。そういえば、監訳者の4名はそれぞれ「情報・システム研究機構」という組織の傘下である国立情報学研究所・新領域融合研究センター・ライフサイエンス統合データベースセンターに所属しているので、ここしばらくはセマンティックWebといえば情報・システム研究機構ということでひとつよろしくお願いします。
おまけ
7月16日に、この本の著者が所属しているMetaweb社がGoogleに買収されたというニュースがありました。これでGoogleは本格的にセマンティックWebに取り組んでいくことになりそうです。
Freebaseを運営するセマンティック・ウェブの会社MetawebをGoogleが買収 - モジログ
- 作者: Toby Segaran,當山仁健,鴨澤眞夫
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: 大型本
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