2014年のごあいさつ
あけましておめでとうございます。
まずは昨年の振り返りから。2013年もいろいろなことがありました。
数年前から取り組んでいたオープンデータ・Linked Open Data(LOD)関係の動きはここに来て想像もしないスピードで進展しました。象徴的なのは経済産業省のデータカタログOpen DATA METIが年始にリリースされてから、日本政府全体のデータカタログdata.go.jpが年末にできるまでにそれこそ1年かかっていないという事実です。どちらもほんの少しだけ関わりましたが、最初の海のものとも山のものともつかない状態から議論を重ねて制度化を進めて実現まで持っていくお役所のプロセスを垣間見ることができたのが自分にとっての大きな収穫でした。一方、自治体レベルのオープンデータもとんでもない勢いで増えていますが、どこも市民・住民が主体となった健全な取り組みになっているように思います。そんな中で、研究プロジェクトLODACや2012年に立ち上げたLODIとしてはオープンデータの概念を伝える活動が多かったのですが、チームで翻訳したLinked Dataの本も発売されたこともあり、今後はより具体的な技術支援にシフトしていければと思っています。
Linked Data: Webをグローバルなデータ空間にする仕組み
- 作者: トムヒース,クリスチャンバイツァー,武田英明
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2013/02/04
- メディア: 単行本
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政府や自治体が自律的に回るようになったら、次は専門分野のオープンデータ化に進まなければなりません。ぼくとしては自身が深く関わっている図書館分野で実践すべく、国立国会図書館のイベントでお話しさせてもらったり、あるいは大学図書館の蔵書データ公開への道筋をつくっているところです。ネット社会の中での図書館のあり方がよく議論されますが、こういった活動を通じて何らかの結果を出してみたいと思っています。また、LOD関連で人文系の研究会に呼んでいただくことが増えましたが、そろそろ何か貢献できるものがないといけないなあとも思います。
もはや本業ともいえるCiNiiなどの学術情報サービスの仕事は我慢の1年でした。4月にシステムの全面入れ替えがあり、その準備と後始末で忙殺されていました。裏側では新しいUI/UXの探求や本格的なクラウドの活用などいろんな仕込みをしていましたが、成果を見せられるのはこれからになりそうです。そうそう、5月には研究所の図書室長という仕事もいただき、リアルの空間でも何かしてみたいところです。
ここ数年、いろんなジャンルの仕事をしてきましたが、それらをつなげるという意識が希薄だったように思われるのが反省点です。2014年はウェブの25周年ということもあり、原点回帰ではありませんが能動的かつ積極的にリンクさせていくことを目標にしたいと思います。
それでは今年もよろしくお願いします!