CiNiiウェブAPIコンテスト・応募作品一覧
11月11日の「CiNiiリニューアル記念 ウェブAPIコンテスト発表会」では、多数の方にお越しいただいてどうもありがとうございました。図書館総合展の豪華な裏番組に囲まれながら、意外と(?)参加者が多かったことに一同びっくりしていました。
さて、この発表会では5つの作品を優秀賞として選定し、デモ・プレゼンをしていただきました。優秀賞の作品へのリンクとプレゼン資料はこちらのページにまとめました。
また、全応募作品24件のリストも作成しましたのでぜひご覧ください。
お国関係の機関としては(たぶん)初めての試みとして、右も左もわからないまま開催してみましたが、APIキーの取得が100人超、実際の応募が24件というのが多いのか少ないのかは正直なところわかりません。多くは運営側の問題で、開催要項に賞品のことが書かれていなかったり、コンテストとしての必要条件が満たされていないとおしかりを受けることもありました。そんな状態にもかかわらず、応募していただいたみなさまには心から感謝します。
ありがたいことに、第2回はあるのかというお問い合わせもいただいています。こちらとしても1回では終われないなあということで、よりパワーアップした形で実施したいと考えています。
また、公共系のサービスがAPIを公開していくことは、アメリカで進んでいるGovernment 2.0の動きにも合致していると思います。これまでの経験から何かしらの貢献ができる部分があると思いますので、関係者の方はお声がけいただけるとうれしいです。
CiNii関連の講演4つ
11月はどういうわけかCiNii(サイニィ)関連の講演が4つもあります。別に狙っていたわけではなく、ご依頼にはいはいと応えていたら集中していました。それぞれ客層が違うので、なるべく違う話にしようとは思うのですが、いかんせん手持ちのネタに限界があり…。似たような話になったらすいません、と先に謝っておきます。まあ、全部参加されるという奇特な方はいらっしゃらないと思いますが、よろしければご参加を。
11/11 図書館総合展/学術情報オープンサミット2009
ひとつめは図書館総合展/学術情報オープンサミット2009で開催する「CiNiiリニューアル記念 ウェブAPIコンテスト発表会」。その名の通り、先月まで募集していたCiNiiのウェブAPIコンテストの結果発表会です。応募作の中から5点を優秀賞として選定し、制作者を交えてディスカッションする予定です。また、リニューアル後の半年間の統計データや、来年度に向けて設計しているCiNii 2.5(仮称)のお話をしたいと思っています。
11/18 DESIGN IT! Conference 2009
情報デザイン系のイベントであるDESIGN IT! Conference 2009では、「論文をみんなの手に - 学術情報サービスのユーザーエクスペリエンス・デザイン」と題して講演します。専門家による専門家のための情報をどうやって一般ユーザーに広めるか、といういささか困難な課題にどう向き合ったのか、そのデザインの過程についてお話しします。基調講演がグーグルのユーザーエクスペリエンス専門家ということで、興味津々です。
11/19 WebDB Forum 2009
ウェブとデータベース分野の学会WebDB Forum 2009では、「日本のデジタルライブラリプロジェクト最前線」というセッションで「学術ウェブをつくる - CiNiiのいま、これから」というお話をします。話の内容はデータベース専門家に向けてプロジェクトの紹介をする、ということで何とかなりそうなのですが、問題はそのあとに国立国会図書館の長尾館長との対談がセッティングされているということで、これが正直恐ろしいです。何といっても長尾先生は情報工学の大家で、こちらは(略)。とはいえ、最初から格の違いは明白なので、いっそ胸を借りるつもりでぶつかっていきます。
国立情報学研究所の准教授になりました
私事で恐縮ですが、2009年11月1日付けで国立情報学研究所の准教授になりました。
気がつけばここのスタッフになってもう4年半、次はどうなるやらと内心はらはらする時期もありましたが、結果的にはこのようになりました。進路についてご相談に乗っていただいた方々には本当に感謝しています。身分が変わってじっくり考える時間ができたこともあり、今後は大きな研究テーマに取り組んでいきたいと思っています。
そして、今回はもうひとつ新しい肩書きがつきました。
「国立情報学研究所学術基盤推進部学術コンテンツ課専門員(兼務)」
という長い長い名前です。
同業者の方はびっくりされるかもしれませんが、事務系の肩書きです。そのココロは、これまで取り組んできた論文検索エンジンCiNii(サイニィ)の仕事を正式なミッションとしてオーソライズするためであり、またCiNiiだけではなく研究所が運営するさまざまなコンテンツサービスの設計や開発に主体的に関わっていきなさいというメッセージでもあるそうです。
1人の人間が研究者と事務方の両方の肩書きを持つというのは、研究所でもはじめての試みだとのことですが、新しもの好きとしては願ったり叶ったりということで、名前に恥じないよう活動していきたいと思います。
それではこれからもよろしくお願いいたします!
ITmedia NewsにCiNiiの記事が掲載されました
きのう(8/17)のITmedia Newsにて、CiNiiに関する記事が掲載されました。
Google風検索ページで「論文を普通の人にも」 NIIの「CiNii」、APIコンテストも - ITmedia NEWS
2年前に取り上げていただいて以来、2度目の掲載です。記者の岡田有花さんありがとうございました。
およそ2年がかりの大仕事だったCiNiiのリニューアルですが、記事ではその内容をうまくまとめていただいた感じです。実際にリニューアルしたのは4月ですが、当初は本当にちゃんと動くのか、性能は出るのか、心配で心配で夢に出てたのを覚えています。実際には関係者のみなさんの努力もあって、この数ヶ月間大きな問題もなく稼働しており、ようやく自信を持って宣伝できるようになりました。
記事の中でもあるように、「誰にとってのサービスなのか」を考えるときに、専門家と一般ユーザーの立場は時として対立します。今回はユーザーインターフェイスの部分でそれが顕在化し、悩んだあげく最終的に今のようなデザインになりました。これについては批判もあるかと思いますが、CiNiiを取り巻くさまざまな制約条件の中で、できるだけ広く使ってもらえるように設計した結果であるとご理解いただけるとうれしいです。(その制約条件が何だったのかについては「CiNiiの中の人日記」に書いていきたいと思います)
APIコンテストについては、記事に「日本一地味な」と冠しているように、賞金100万円!とかは出せません…。ちょうどmixiのソーシャルアプリケーションアワードの締め切りが同じ日だったりしてつらいところもありますが、お堅い分野の情報をどう面白く見せるかについて興味のある方はぜひご応募ください。夏休みの宿題に最適です。また、プログラムが必須となるアプリ部門だけでなく、APIを通じて得られる情報の見せ方を提案してもらうデザイン部門も新設しましたので(提出物はHTMLのみでOK)、そちらもご検討ください。どうぞよろしくお願いします!
Researchmapのすすめ
少し前からぼくが所属する国立情報学研究所で「Researchmap」というサービスが始まっています。Reseachmapは研究者が自分の成果を公開したりブログが書けたりするコミュニティーサービスです(他にもいろいろ機能があります)。
研究者向けコミュニティというと、これまで何度か立ち上がっては消えていった「研究者SNS」の一種か、と思われるかもしれませんが、つながりを作らないと回っていかないSNSというよりは、1人1人の研究者の活動が見える(見せる)サービスという位置づけです。たいていの研究者は自分のウェブサイトで成果リストを公開していますが、(研究者の目線で言えば)それを簡単に維持管理できるものと考えていただいてよいかと思います。
Researchmapの開発の経緯や目指すところは開発された新井先生のブログを読まれるのがもっともわかりやすいと思います。
ブログ記事の通り、研究者はほとんど成果のみによって評価されます(それがよいかどうかは別として)。研究費の獲得も次の職場を探すのも、すべては成果次第です。こう書くと当たり前のように聞こえますが、上司や同僚の暗黙的な評価も一切なしの、まあドライと言えばドライな世界です。
そういう状況の中で、誰でもアクセスできる成果リストは重要な役割を担っているのですが、維持管理がなかなか大変で、共著論文などなどを含めて完全なリストを作っている研究者は少数派だったりします。しかししかし、そんなことを言っていられるご時世でないのもまた確かで、職探し中の若手研究者や大学院生にはクリティカルな問題になってきました。(かくいう自分がまさに危機的状況なのですが…)
もちろん成果リスト自体はどこでも作れるわけですが、幸いResearchmapのSEO性能はけっこう高くて、自分の名前をググってみると上位に来ます(ぼくの場合は10位前後)。1からページを作るより、同じ情報を置くなら目立つところ・人通りの多いところに、ということでSEO目当てでResearchmapに情報を載せるのは「あり」だと思います。
また、基本的に研究者のためのサービスなので研究者が見ている、というのが重要なポイントです。実際、Researchmapに情報を載せた数日後にポジションのオファーが2件も来た、という夢のような話があったり(これは出来すぎの例ですが)、自分に関する情報が伝わるべき人に伝わっていないという状況が少しでも改善できればいいなあと思っています。
いろいろ書きましたが、残念ながら成果リストをメンテナンスする作業を劇的に改善してくれるわけではありません(それでも論文検索サービスから直接インポートできたり、普通に作るよりは楽です)。またユーザビリティなどについて最先端のウェブサービスと比較するとまだまだな部分もあります。このあたりは今後も継続的に改良できる体制ができているので(ぼくもコミット予定)、まずは使っていただいてコメントなどいただければと思います。
現在のところ、Researchmapは招待制ですが、お近くの方から招待いただくか、ぼくまでメールをいただければ招待させていただきます(研究者もしくは研究者の卵だとわかる方に限ります…あしからず)。メールアドレスはこちらに載せています。また、科研費番号をお持ちの方であれば直接登録も可能です。
おまけ:Researchmapのブログで論文検索サービスCiNiiをリニューアルするまでの経緯を書いています。よろしければこちらもどうぞ。
NIIオープンハウス2009・CiNiiワークショップ
6月11日・12日に国立情報学研究所のオープンハウス(大学でいうところのオープンキャンパス)が開催されます。おおむかいは昨年に引き続いてCiNiiのワークショップに参加します(6月12日14時〜)。題して「ひらめき、ひろがる、知の可能性(かたち)- CiNiiリニューアルとウェブAPIコンテスト -」。
主な内容は、4月に全面リニューアルした論文検索サービスCiNii(サイニィと呼びます)について公式の場ではじめてきちんと説明するのと、CiNiiのウェブAPIを利用したプログラムコンテストの告知です。あとディスカッションの時間もたっぷりと取っていますので、一言言いたい!という方はぜひお越しください。
プログラムコンテストは研究所としては思い切った企画です。まだ詳細は詰め切れていませんが、9月末に応募しめきり、11月に結果発表ぐらいのスケジュールを想定しています。お堅い組織なのでどれだけのことができるかわかりませんが、APIを広く使ってもらいつつ、成果を宣伝する場として捉えていただければと思っています。ついでに、賞を出すためのスポンサーが集められないか…などと中の人同士で話しているところです。
募集要項については当日発表するとともに、ウェブでもお知らせする予定です。
いま思うと去年のいまごろはまだ設計の真っ最中で、モノとしては影も形もなかったのかと思うと感慨深いです。まだ細かい分析はしていませんが、新バージョン公開直後の1ヶ月間のアクセス数は、過去最高だった月の1.5倍を軽く超えています。日頃のご愛好(?)に感謝するとともに、今後の展望について議論できる場にしたいと思いますので、ふるってご参加ください。
ネットの未来カンファレンス
もう明日の話ですが、gooラボ「ネットの未来カンファレンス」というイベントに参加します。なんでもパネルディスカッションが3本あるそうで、ぼくが出るのは2本目。最後のセッションのメンバーはえらく豪華ですね…。事前の仕込みらしきものはなく、当日ぶっつけ本番でどうなることやらという感じですが、もしよろしければお越しください。場所は横浜です。
http://blog.goo.ne.jp/labstaff/e/fcdae776caefeb84ca00d3e4f200694c