表現とは何か,芸術とは何か(その1)

朝から本郷.とある取材を受けることに.といっても毎度毎度好きなことをしゃべらせてもらうだけで,少し申し訳ない気がする.軽く打ち合わせをしてから青山に移動して,過日にご案内の講演会へ.参加者名簿を眺めると,そこには超大手企業の社長役員クラスの名前がずらりと並んでいる.完全にプレゼンのターゲットを間違えたなあとあわてて作り直しにかかると,実際の聴講者はその会社の社員さんであることがほとんどだそうで,胸をなで下ろす.世の中には不思議な会合があるものだ.それでまあ講演会の時間.お客さんはごく少数で,他の講演者も来てないので大丈夫かなと思いつつ,でもせっかく来ていただいた人には楽しんでもらおうと脱線多めで話を進める(いつもか).たっぷり1時間,質疑もいい感じだったのでほっとする.次の講演者もちゃんと来られたし.わりあい人の入れ替わりが激しい会だったが,珍しい機会だったので最後まで聴いてみる.得たものは相当大きかったので満足.そして終了.それから某プロデューサー兼クリエイターに連絡を取り,過日にご案内の演劇へ.実質的に某氏のデビュー作でありながら,大きな劇場と満員のお客さん.とんでもないことをやってるなあ.そして開演...これはこれはとんでもない.ミュージカルと銘打ってはあるけどミュージカルではない.某氏が世界にたたきつけた挑戦状としか思えない.その一方で,彼女自身は普通にやっているのだろうというのも想像がつく.それにしても大変なものが出てきたなあと,これから始まるであろう彼女の数十年間に渡る戦いについて思いを馳せる.表現とは,芸術とは,表現者の欲望,人々の欲望,そういうものがごちゃごちゃにからまっていまのところは理解を超えている.まとまらない考えの断片を,食事しながら某氏と共有し,本日はこれまで.