ウェブをかたちづくる妄想

過日の「ウェブ研究スターターキット」の続編。ウェブがどういう方向に進んでいくのかを予想することは大変に難しいのですが、これまでウェブに関わってきた人々が見ていたであろうビジョン(というか未来予想図というか作り話というか)を知ることは有益な気がします。ということで、以下に紹介する本・DVDはほとんどが作り話です(そうでないのもありますが)。教科書的に読む必要は全然ありませんが、過去の妄想を知り、これからのための妄想力を鍛える一助になれば。

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

1948年に描かれた、テクノロジーによる監視社会の姿。監視社会のことを「ビッグ・ブラザー」を呼んだりするのはこの本が起源。後半がとてつもなく恐ろしくて読み返すのを躊躇してます。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

サイバーパンク」というジャンルを生み出した80年代SFの古典。サイバースペースのイメージはこの本1冊でほとんど完成してしまってるのでは。

スノウ・クラッシュ

スノウ・クラッシュ

なぜか発売直後に読んでいて、気がつくと「メタバース(仮想世界)」という言葉の生みの親として有名になっていました。作者本人はもう興味がないらしいですが。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 [DVD]

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 [DVD]

言わずと知れた名作。それまで文字で理解するしかなかったサイバースペースが可視化された衝撃は忘れられません。続編もぜひ。

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)

著者には怒られるかもしれないけど、ぼくはこれをSFと呼びたいと思っています。いまとは異なる技術的要件が入ってきたときに、それが人間性にどう影響を与えるのかについて論じているという点で。

電脳コイル 第1巻 限定版 [DVD]

電脳コイル 第1巻 限定版 [DVD]

で、結局紹介したかったのはこれ。ウェブは排他的な「もうひとつの世界」になるのではなく、こうやって多重化された世界のひとつになるんだなあと素直に思います。これが子供向けアニメとして普通に成立していることに驚きます。公式ページはこちら

おもしろいものがあったらまた追記します。ぼくはSFにはまったくといっていいほど造詣が深くないので、おすすめの作品があれば教えてください。