共同研究にまつわるエトセトラ

朝一からヘビーな会議,に遅刻してしまう.大反省.それで最初はおとなしくしていたが,会議の内容が内容で,ここで黙ってるとよくない気がして最後はちゃぶ台をひっくり返す大演説に.これこそ何も知らない(ことになっている)若者の役割だよなあと思いながら.それからあわてて昼食を取って某社との研究ミーティング.反応は上々,と思いたい.以下余談.
企業さんから共同研究のようなフレームワークを持ちかけられることが少しずつ増えているのだが,たいていの場合に求められるのが特効薬.いまの問題はこれで,これをいますぐ解決できる方法はありませんかと.で,研究者としては具体的な事例について何かをやっているわけではない(やっていたとしても先方の問題にぴったりはまることはありえない)ので,いきおい慎重になる.ついでに言うと研究者は本当にできるかどうかわからない問題について「できます」と答えてはいけない職業なので,口ぶりはもっと慎重になるかも.で,そうこうしていると相手さんは露骨に失望の表情を浮かべて帰っていく.というのがありがちなパターン.場合によっては共同研究が走り始めたあとに同様の問題が発生することもある.どちらもリソースをそれなりに使うので,うまくいかなかった場合の感情的損失は結構大きい.じゃあどうすればよいのかというと,結局のところこういうメタ問題についても特効薬はなくて,一般論として何かを言うことはできないのだけれども,共同研究慣れしてる企業や研究者は,相手の同床異夢っぷりをちゃんと理解している気はする.成果をあらかじめコントロールしようとするのではなく,出てきた成果の中から都合のいいものを持って帰る,そういう待ちの姿勢が互いにできたときにはじめて共同研究は成功しうるのかなあと思う.何にせよ時間がかかるのは間違いないので,いますぐ成果が必要な会社にはまったく向いていない.雇用関係にするのと同等かそれ以上のリソースを使って囲い込むなら別かもしれないけど.
閑話休題.そんなわけで今回の某社さんは共同研究慣れしていて,気持ちよくミーティングは終了.それから研究室のミーティングに移って修論指導などなど.あとは6月の人工知能学会全国大会に向けての人集めなど.それから大学院生の自主ゼミに顔を出し,それから新任の先生の歓迎会.その席で,今朝の大演説について同意の言葉をもらえて救われた.楽しく飲んで,そして帰宅.