Web2.0と集合知

山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ、ではなくて、わたくしが何を生業にしているのか誰も知らないんじゃないかと。別に世間様に知ってもらおうなどと大それたことは思わないけど、親兄弟にすら理解されないのはちょっと悲しい。で、いまのいままで、その理由は読みにくい論文ばかり書いているからだと思っていた。が、それ以前にその論文が入手できない、あるいは入手する気が起こらないような場所にあって読まれていないという可能性があることに思い至った。で、もちろん入手できたところで読みにくいことには変わりないけど、できるだけの努力はしてみようと、過去の論文のHTML化を進めてみます。とりあえずは解説論文から。

HTML化論文第1弾の「Web2.0集合知」は情報処理学会の会誌「情報処理」2006年11月号の特集「Web2.0の現在と展望」の記事として書きました。集合知という言葉は新しくとも、その実は大昔からあるものなので、それをどうWeb2.0に絡めるのか(もしくは絡められてないのか)苦心惨憺している姿を垣間見ることができます。しかしまあ、まとめてみれば「Webがあって本当によかった」と思う事例が山のようにありました。

ちなみに、この特集では「Passion for the Future」橋本大也さんとともにゲストエディタをさせていただいて、全体の構成もやっています。Web2.0という流行語を冠しつつ、ありがちな事例紹介にならないよう、マーケティングサイエンスや社会ネットワーク分析の知見をふんだんに盛り込んだ特集になっているので、もし機会があればお手にとってみてください。

Web2.0と集合知(HTML版)

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なお、HTML化した論文は非公式バージョンです(掲載版は多少手が入っています)。学術論文に引用される場合は、必ず「情報処理」掲載の公式版をご参照ください。